現在では、ミラーレス1眼カメラは各社から発売されていますが、その先陣を切ったのが Panasonicです。 ミラーレス機がオールドレンズや銀塩時代のレンズを有効に利用できる事に気付いた慧眼なユーザーは、この今までに無かったスタイルに思いおもいに踏み込んで行ったのです。
これを決定的にバックアップしたのが「MFアシスト機能」です。 画素数増加で肉眼でのマニュアルフォーカスが不完全な状態を、EVFの拡大機能で救ったのがこの機能で、ミラーレス1眼の画期的な機能のひとつと言えます。
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私は、野鳥の望遠撮影を通じてこの機能に着目し、G1、G3の機種でボディの改造を行い、瞬時にMFアシストを起動するスイッチを作りました。 当初のMFアシストは(純正レンズ以外では)起動に2ステップの操作が必要で、マウントアダプターで装着したレンズでは扱い難いものだったからです。
G3では、本体の「iA」スイッチ(インテリジェントオート)の配線を改造して、MFアシスト起動スイッチに変えています。 これは非常に便利で、超望遠やマクロ撮影時に純正レンズを使用しない場合はフォーカスポイントの拡大表示(MFアシスト起動)となり、純正レンズの場合は「絞り値」「シャッタースピード」「露出補正」の切替えスイッチになります。 後ダイアルのプッシュスイッチを代行させただけですが、レリーズボタンに並ぶため非常に扱い易くなりました。 下の写真の様に、樹脂製のネジの頭をスイッチに張り付け、探し易く押し易くしています。
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その後の Panaのミラーレスの設計は何段階も練り直された様です。 G8を導入して色々な進化を目の当たりにしますが、G8の操作性の良さは素晴らしいものです。 G3はコンパクト化に専念していた時代ですが、G8はそれを他シリーズに任せ、本格的で纏まりの良い操作性を獲得しています。 手にしっかり馴染み、ダイアル類は操作し易く完成度の高いものです。
さて、純正レンズ以外でのMFアシスト起動は、背面十字スイッチの「左」を押すだけのワンタッチ起動です。 しかし、撮影時にファインダーを覗いた状態では少し操作し難く、なかなか手探りで操作できません。
従って、MFアシストを頻繁に繰り返す超望遠やマクロ撮影では、やはりレリーズボタン周囲にMFアシスト起動ボタンが欲しいと感じます。 純正レンズなら、全く問題はないでしょうが。
G8ではカスタマイズ可能なFnボタンが多く、この要求には「Fn1」「Fn11」のカスタマイズで対応できそうです。 もはやG3の様な改造が必要ないのは、とても有難いことです。
下図は、静止画撮影時にFnボタンに割り振る事の出来る機能一覧で、表の機能なら各Fnボタンのどれに設定してもかまいません。
例えば「Fn1」のボタンに「AFモード/MF」(右は設定中のメニュー画面です)を設定すれば、非純正レンズを装着時に「Fn1」ボタンを押せば MFアシストが起動します。
もし非純正レンズの撮影でMFアシストを多用しているなら、この様なカスタム設定をC2等に登録すれば便利でしょう。 撮影が素晴らしくスムーズになります。
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レリーズボタン周囲にあるFnボタンは「Fn1」「Fn11」だけですが、これらのデフォルト設定はとても重要で、他の機能に変えてその操作性を犠牲にするのはいただけません。 「露出補正」や「ISO変更」等を殆どしないというなら別ですが。 従って、先に書いた様にモードC2等として、非純正レンズなどの場合のみの設定にするのが妥当と思います。
しかし、レリーズボタン周辺には「動画ボタン」が余っています。「動画ボタン」は Panaとしては譲り難い独立スイッチの様ですが、私は静止画撮影が専らで、誤って動画撮影しない様にこれを「OFF固定」にしています。 つまり、私には全く意味の無いスイッチで、こんなユーザーも案外多いのでは。 動画撮影する場合はモードダイアルを「動画」にして、レリーズボタンで撮影操作が出来ますし。
今回の様に、もうひとつFnボタンがあったらと考えた時、この「動画ボタン」は実に勿体ないわけです。 システム的に「動画ボタン」のFnボタン化が可能なら、ぜひともこれはFnボタンにして欲しいものですね。