Studio TA Subsite の案内とお知らせ

ミラーレンズにCPLフィルターを使う (偏光フィルター撮影4)

2009年 06月 26日
超望遠撮影における偏光フィルターの実用性を模索している。アダプトールの改造で、ファインダーを観察しながらフィルター向き調節が可能になったので、色々な被写体で撮影テストをした。

デジタル写真画像は、明度・コントラスト等を始めとした多種の画像処理が可能で、効果を比較する画像を別個に処理をしてしまうと、フィルター有無の差が比較出来なくなりかねない。これを防ぐために、

(1)撮影は全面平均測光による自動露出(シャッター速度自動)で、なるべく均一な明度の「フィルター無し・フィルター有り」の撮影画像を用意する
(2)明度を揃えたい対象物がある場合は、片方の最小限の明度調整のみを行い、比較する二画像の調子を揃える
(3)左に「フィルター無し」右に「フィルター有り」の画像を並べて結合し、一つの比較用元画像を作る
(4)この比較用元画像を、最小範囲のコントラストのみの画像調整とリサイズを行い、最終的な比較用画像とする (これは、望遠撮影のローコントラストな傾向を補正し、見やすくするため)

...という方法を採った。つまるところ、フィルターの効果を比較する画像は、二者の間で極力画像調整の差が無い様にしたということだ。
掲載した以下のサンプルは、それぞれ上記の手順に従った比較用画像だ。

+

b0174191_13244253.jpg
1/1000sec                       1/250sec
別個の明度調整なし

奥の赤屋根と手前の灰色の屋根が、晴れた太陽光を反射している。ファインダー目視では屋根が随分明るいが、フィルター無しで撮影した左では、自動露出によって強く抑え込まれた。その結果、手前の樹はずいぶんアンダーだ。フィルターの有る右では屋根の反射が抑えられ、色がずいぶん違って写っている。屋根へのフィルター効果で露出が長くなるため、樹の緑が明るく写る。フィルター無しの画像から、処理により樹を明るく調整が出来るが、その場合は屋根のディテェイルは更に失われる。フィルターにより両方が写し込める利点があると言えるだろう。

b0174191_13474823.jpg
1/1600sec                       1/400sec
別個の明度調整なし

更に極端な例。斜め屋根がおもいきり太陽を反射していた時に撮影。自動露出により、左は二階屋根や壁、アンテナ等が露出アンダーで異常に暗くなった。右はフィルターで反射を軽減し幾分ましな写り方だ。極端に高コントラストな被写体では、コントラストを低くする側に使える。HDRに少し似た(流行の派手な使い方ではないが)効果だ。

b0174191_2152222.jpg
1/4000sec                       1/2000sec
手前の建物の明るさで明度を揃えたつもり

空が偏光フィルターにより暗い位に濃く写るのは、良く知られる。うす曇りの天候で、右は灰色がかり少しアンダーな色に写っている。もっと晴れていたら、深い青になったのかもしれない。 超望遠でも同様の効果があるのを確かめたかったので。

b0174191_1732075.jpg
1/1600sec                       1/500sec
別個の明度調整なし

フィルターによりアンダーとなった空に自動露出が働くため、右は他のものが明るく表現されている。遠景右手の城みたいな建物や、その手前の白い建物や左の送水塔が顕著だ。にもかかわらず、左手の森や手前の家の屋根など逆にアンダーとなるものがあり(偏光成分の選択による効果)、全体としては少しコントラストを増す結果になっている。雑多に入り組んだ遠景には、この様な効果を生じる傾向がある様だ。ただ、この程度の効果なら、撮影後の画像処理に頼ってもそう変わらない様に思える。

b0174191_14253578.jpg
1/1250sec                       1/800sec
駐車場路面を基準に明度調整

右側は三台の車の窓に映る空の反射を最も抑える様に、フィルター向きを設定している。良く知られる水面反射等に対する効果を確かめた。青い車に顕著だが、車内の様子が明瞭になっている。反射光沢を抑えると、素の色が強く表現されるのは屋根と同様だが、車の様な立体物では角度の異なる側面の反射が強調されるのが判る。偏光成分を選択しているという方が的確な言い方だろう。

+

偏光フィルターの有要性は光の成分を取捨出来ることだ。超望遠でも標準レンズと変わらない効果がある事が判った。コントラストを増す効果も、偏光成分の選択性によっているため、画像処理による増強とは異なり、これが強く出て他では得られない絵になる場合を心得ておくべきだろう。偏光フィルターを使った絵は、やはり非日常感があって面白い。昔の経験を思い出すと、事物の光沢成分を抑えて、妙に質感を強調する傾向があり、むしろ近影で使いたくなって来たしだいだ。
[PR]
by Ataron | 2009-06-26 15:33 | 撮影機材/技術 | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。