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Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(2)

2010年 04月 12日
前回の Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(1) では、遠景の対象物を撮影してテストしたが、実際のフィールドでは10m程度の距離の撮影が多いことから、今回はかなり実際の撮影に似せたテストをしてみました。



被写体として実毛を使ったマウスの人形(キーフォルダー)を、壁面の絵から少し離して配置し、これを約6m弱の距離から三脚固定して撮影しています。この距離は室内で出来るだけ距離を離した結果です。

前回と同様に、三脚に固定し手ブレ(IS)はOFF、リモートライブビューでPCからレリーズし、サイレント撮影により、フォーカスずれ、シャッター振動などを抑えています。ホワイトバランスは自動の「AWB」、測光モード「評価測光」、露出補正なし、ISO800、 AVで絞り値をPCで順に変えながら撮影。ピクチャースタイル「スタンダード」、JPGラージの撮って出し、高感度撮影時のノイズ低減なしの設定です。
TOSHIBA ネオボール昼白色13wの2灯の左上側方から照明で、1/100~1/2sec の撮影となりました。この種類の蛍光球は割ず熱の心配もないので物撮りに便利ですが、色は少しクールになります。太陽光を使うのがベストですが、これは仕方ありません。



基本の撮影像を縮小したものが以下です。
Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(2)_b0174191_020982.jpg
各絞り値で撮影した画像より、等倍サンプルとしてFP1~FP3の3箇所を切出します。FP1はフォーカスしたポイント(マウスの目)です。 FP1~FP3の位置を、撮影距離の遠近で示したのが下の写真です。
Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(2)_b0174191_030474.jpg
右方向にカメラがあり、フォーカスポイントFP1を基準にすると、カメラから見て、FP2は約4cm後方、FP3は約9cm後方、背景画は24cm後方となります。 羽毛状の被写体なので、距離はおうよそと考えてください。

以下のFP1~FP3の結果はクリックで拡大します。 各画像の右上の数値は設定したF値です。

FP1
Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(2)_b0174191_0505622.jpg


FP2
Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(2)_b0174191_0511729.jpg


FP3
Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(2)_b0174191_0513448.jpg




各FPごとに、比較場所を色々採り比較して、総合的にシャープネスが最も良いと思われる絞り値を出してみた。これは判断する人により異なった結果が出るかもしれませんが。
FP1 / 瞳周辺 F8
FP2 / 白い毛(手前) F11 、 黒い毛(奥) F16
FP3 / 尾 F18 、 背景画 F25
6m程のずいぶん近接した条件なのですが、フォーカスしたポイントより4cm後方まで良いシャープネスを得たければF11程度、 9cm後方まで良いシャープネスを得たければF18まで絞る必要がある事になります。また、回折限界にもかかわらず、背景は絞り込むほどはっきりして来る様です。(以上はフォーカスポイントより後方への結果で、手前に同程度にシャープネスが得られる範囲があると考えられます)

ただし、これは等倍像を厳密に比較して最良値を求めた結果の話で、シャープネスの許容できる範囲という発想で、更に画像を縮小して使用する(普通の利用では50%程度が多い)となれば、絞り値の範囲はかなり広まります。また、フィールドではこの倍程の距離の方が多く、被写界深度もそのぶん深くなります。 下は、実際にF8で撮ったサンプル(70%縮小)で、左右で鳥が姿勢を変えています。
Canon EF300mm F4L IS USM のシャープネス(2)_b0174191_159124.jpg
左は尾先がボケていますが、右はほぼ許容範囲でしょう。左の尾先のシャープネスを問題にするならF16程度まで思い切って絞る必要がありそうです。「F6.3最良」や、「F11から回折限界」など鵜呑みにせず、色々条件を試してみる必要を感じます。
by Ataron | 2010-04-12 23:33 | 撮影機材/技術 | Trackback | Comments(0)
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