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標準ズーム 広角周辺部の色収差

2010年 10月 06日
標準ズームの広角側はスナップ撮影で頻繁に使いますが、その画質で最近一番気になるのが周辺部の色収差です。 デジタル一眼で最初に使った標準ズームは Kiss DNのキットレンズでしたが、広角端での周辺部の色収差はかなり酷く感じたものです。 銀塩時代やデジカメ初期には気付かなかったのに、高画素画像を拡大表示することが当たり前になり、細かいアラに気付く様になったのです。現代のレンズはとてもシビアな評価に耐える必要が出て来たと言えるでしょう。

キットレンズに不満を感じて、SIGMA 18-125mm F3.8-5.6 DC OS HSM を購入し、これを現在も常用しています。全体として良く出来た便利な標準ズームですが、EOS 7D を使いはじめて画像に対する要求が高まるにつれ、やはり広角端の周辺部色収差に不満を感じる様になって来ました。 気になりはじめると、つい重箱の隅をつついてしまう状態です。



サンプルとして、このレンズで先日撮影した画像を使いましょう。 18mmの広角端でF6.3に絞ってJpegのみで撮影しています。 その撮影画像を約1/5にリサイズしたものですが、当exiteのシステムで更に縮小表示されるので、画像をクリックしていただければリサイズしアップロードしたものが表示されます。
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_043121.jpg
この画像を見て、周辺部の色収差にすぐ気付かれる人は、「同じ悩み」の持ち主かそれを経験された人でしょう。
この大きさでは殆ど差が判りませんが、元画像の色収差をソフトウェアで補正し抑え込んだものが以下です。
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_0574251.jpg
そして、リサイズすると最初の精細感が失われる様な気がして、シャープネスを気持ち調整したのが下です。 このあたりのサジ加減は微妙で、下手すると嫌な絵になります。 見る側の環境によっても印象が違うかもしれず、自分の感覚を納得させるしかありません。
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_9214823.jpg




写真現像ソフトやキャノン純正現像ソフトのDPPによる色収差補正が、どの程度の精度の補正が出来るのか知らないのですが、この補正にはIrfanViewに内臓された「Chromatic Aberration Correction」を使用しています。標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1225181.jpg
この補正機能はRawデータが無くても補正をかけられ、時間の無い私にはありがたいものです。

下の赤枠で囲んだ部分について、補正の効果を等倍拡大して示します。それぞれ補正前、補正後の順です。
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1343554.jpg


左上標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1375733.jpg
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_139168.jpg

右上標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1395452.jpg
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1402392.jpg
左下標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_141444.jpg
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1412721.jpg
右下標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1415474.jpg
標準ズーム 広角周辺部の色収差_b0174191_1421576.jpg

ソフトは画像の中心点を基準に補正する様に思えますが、このレンズの色収差の出方が理想的なシンメトリーではないのでしょう、上下左右すべてをピタリと適当補正量にセットすることは出来ていません。 Green shiftで 4~8程度に調節するのが普通ですが、画像によって異なってきます。



この様な色収差の補正をやっていると、しだいにもっと収差の少ない良いレンズが欲しくなって来ます。 逆光時に多いのですが、露骨に周辺部に色収差の出た写真を撮ってしまうと、その思いは更に強くなります。 どれほどの投資すれば、広角端の納得出来るレンズが得られるものでしょうか。 単焦点ならより優れている事は想像されますが、現実には何本も交換レンズを持ち歩けないので、やはり標準ズームの範囲内でレベルアップを考えざるを得ません。

そんな経緯で、現在導入を考えているのが、SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM です。 これで、「やっはり標準ズームじゃ駄目だ」となったら、ズームの限界に諦めも付くというものですし。
by Ataron | 2010-10-06 01:42 | 撮影機材/技術 | Trackback | Comments(0)
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