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カテゴリ:撮影機材/技術( 190 )

Panasonic G8 の動画録音:ライン入力は高音質

2017年 04月 13日
価格.Comのカメラ板を覗いていると、G8の動画の音質が悪いと言う意見があります。 GH5は当然ですが、G8でも動画撮影に重きを置くユーザーは少なくなく、動画と一緒に録音される音質も大事な要素になってます。

しかしG8発売当初は、ボディ内手ブレ補正の動作音が従来の機種になく目立ち、これは早々にファームアップで改善されています。 この当初の悪印象が思い込みとなった意見が見られます。 しかし録音のバックグラウンドノイズは、実際に悪いとすれば何を改善すべきなのか、ちゃんと調べないと改善は無理です。

余談ながら、この種のノイズを「ホワイトノイズ」と言う風潮があり、違和感を覚えます。 ホワイトノイズはノイズの種類を示す言葉で、バックグラウンドノイズは必ずしもホワイトノイズではないので。「動物園は色んな動物の写真を撮った」と普通に言えば良いのに「色んな哺乳類の写真を撮った」と言っている様に聞こえます。



今回はライン録音のテストをした事で、G8の録音時のノイズや音質の問題が少し見えて来ました。 以下は録音結果を纏めた動画です。


これは「G3 内蔵マイクによる録音」「G8 内蔵マイクによる録音」「G8 ライン録音(アッテネーター経由)」の3種類の録音を比較しています。 各動画撮影の条件は、

◎手ブレ補正の無いレンズ使用、全ての手ブレ補正OFF、AF動作OFF、の設定。 ステレオの20cmクラスのスピーカーから1m程度の距離に三脚固定。 PCからテスト音源を再生して内蔵マイクのテストをしています。
◎室内の蛍光燈、空調、冷蔵庫、などを停止して、外部雑音を極力抑えた動画撮影。
◎マイク録音の感度設定は、G3 レベル3(レベル1~4)G8 0dB(-12dB~+6dB)に設定。(この設定で、若干G3が感度が低い)
◎CDの送出し音量はMaxで、スピーカー音量をG8の録音メーターで「ピークが赤マークの手前に納まる」音量にアンプ側で設定。(私が日常で聴くより少し大人しいレベルです)
◎G3 レベル3では感度が少し低くメーターはアンダー目になりましたが、問題のない範囲です。
◎G8のライン録音はアッテネーターの減衰量を既に調節していたので、G8の感度設定は 0dBのままで「ピークが赤マークの手前に納まる」状態となっています。

G3内蔵マイク、G8内蔵マイク、G8ライン録りの感度差は、テストトーンのレベルが同様になる様、録音したデータを最終的に調節して比較しています。

以下はテストの信号の流れの様子で、緑はマイク録音、青はライン録音です。

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「DA変換器」は、PCで音楽を聴くための「USBデジタルオーディオプロセッサ」というONKYO製中級品です。「減衰器」はアッテネーターのことで、これは即席でバラック配線で組んでいます。

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アッテネーターは、抵抗値はDA変換器の出力インピーダンス10KΩ、カメラ入力側は数KΩと予想し、減衰比1/250(-50dB程度)にしています。 これでCD再生のMax出力に対し、G8側は録音ゲイン 0dB 設定で、メーターが最適(赤が出る寸前)となりました。(デジタル録音は、もう少し低レベルに抑えるのが一般的かも知れません) 下図はアッテネータの回路図です。(出力機器側は実際はピンジャックで製作)

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最初の動画データで、テストトーンの後に4secずつの無音部があり、ボリュームを上げないと聞きにくいですが、録音時のバックグラウンドノイズを比較したポイントです。 各動画のこの最初の範囲を音声アプリに取り込んで調べたのが以下です。

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頭のテストトーンの高さが同じになる様に、各データのレベルを調整しています。 左側の「G3 Mic」と「G8 Mic」を比べると、G3の方がノイズは少し多く、昔からGシリーズはこの程度のノイズ性能だったのが判ります。 少なくともファームアップ対策後では、G8が「ボディ手ブレ補正の搭載で非常にノイジー」なのではなく、「G7ならそれが無いから良い」と言うのはおそらく勘違いで、測定してみれば判るはずです。

右側のライン録音は、明らかにノイズレベルが違います。 最初の動画を聴くと、ライン録りは音のボリュームも大きく(低音域が豊富なためでしょうか)、聴感上のダイナミックレンジはとても良好に感じます。

下図はノイズ部のレベルをこのアプリのdBメーターで調べたものです。 注意願いたいのは、先の波形観測の図から判る様に、テストトーンはいわゆる「0dB」よりかなり小さいレベルです。 下図は、バックグラウンドノイズの程度を比較するために、テストトーンが「-9dB」になるまで増幅して各録音レベルを揃えたものです。 従って表示は「相対的」で「目盛り値=SN比」でありません。(SN比はもっと良い値のはずです)

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G3とG8のマイク録音時ノイズはG8が僅か少ないが、五十歩百歩です。 これはラジカセのレベル以下で、気にしだすと気になるレベル、問題になるのは否めません。 一方ライン録りは、予想以上の結果です。 オーディオマニアには未だ足りないでしょうが、普通の動画の音としては十分です。 ノイズ特性だけでなく、音質としても音楽を普通に楽しむレベルを満たしていると思います。

マイク録音の方は、以前のテストでも当惑した低音域の大幅なカット、高域部のみが目立つ音、と言った癖が明らかです。 これは、G3もG8も同じ、音質は昔のラジカセの内蔵ECMマイクの録音と良く似ています。 ECMの高品位なマイクを用意して外部マイクとして使用した場合、この音質の癖は改善されると思われます。 ECMの高品位マイクは、高域側の感度を落として、感度の低い低音域に近付けて周波数特性を平坦化するので、一般に感度が低い様です。 このため、バックグラウンドノイズに関しては、はたして改善されるかは疑問です。 このノイズの改善には、それが良くない原因について、もう少し考察が必要と感じます。



安価なワイヤレスユニット用のピンマイクがあったので、これを外部マイクとしてテストしました。

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予想はしていたのですが、この外部マイクのノイズ特性は内蔵より悪い結果でした。 G8の手ブレ補正をOFFとした場合(おそらくONでも動作が穏やかな場合)、その機構の振動はノイズと殆ど関係無いと言うことは、よりはっきりしました。 G8の内蔵マイクはノイズの特性が芳しくないとは言え、G3やこの安価なピンマイクより良いのです。 もしボディ内手ブレ補正機構がG8のノイズの主要原因なら、G3やピンマイクはもっと良い値を示すはずですから。

では、これらのマイク録音の全てで、ノイズ特性が芳しくないのは何故か?

ライン録音の好結果で判った事は、「内蔵マイク」もしくは、そのレベルをラインレベルに持ち上げる「ヘッドアンプ」の周辺がバックグラウンドノイズの殆どを発生させているという事です。

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上図は、マイク周辺の回路構成を推測した模式図で、上側は内蔵マイクと外部マイクに別個にヘッドアンプがある場合、下側はヘッドアンプが共用で、ジャックで切り替えている場合です。 たぶん私は下側の構成ではないかと思いますが、これはG8を分解しないと判りません。

赤い部分がノイズの発生し易いと考えられる場所ですが、上側で内蔵/外部でヘッドアンプの特性が著しく異なるとは考えにくく、また下側の場合は同じヘッドアンプです。 これは上下のいずれの構成でも、マイクユニット側が怪しいと考えるのが普通です。

ここで思い当たるのは、電気的に感度の高いマイクユニットに、カメラの回路のデジタルノイズが影響しているのではないかと言う事です。 PCとオーディオ回路を連携させて使用すると、PCの電源回路の影響下にある回路は、ことごとくノイズに侵されるのに気付きます。 PCからオーディオ信号の受け渡しは、上手くやれば優れた性能になりますが、下手をするとノイズまみれです。 デジタルカメラの内蔵マイクは、その意味でラジカセより厳しい環境です。

マイクユニット自体のノイズ特性ではなく、マイクユニットをデジタル回路と切り離さず使用しているので、ノイズ特性が悪いのではないかと、私は疑い始めました。 ライン録音の場合、ラインレベルの強い信号とアッテネーターが壁になって免れたという推測です。

 ①内蔵マイクユニット自体のノイズ性能が悪い
 ➁カメラのデジタルノイズがマイクユニットや周辺回路に影響している

Panaのマニュアル上の「外部マイクで上質の録音が可能」の説明通りなら、単に①が原因という事になります。
もし➁が原因なら、カメラからのパスパワーで動作する外部マイクは、ノイズ性能が改善しない場合が出て来ます。(低域の音質などは良くなり得ても)

実際に外部マイクで良い結果が出せれば、①か➁かは判って来るでしょう。 ECMマイクをカメラからのノイズに影響されない様にするには、外部にマイクのヘッドアンプを用意するのが確実と思います。 これは、後日に実際に試してみたいと思っています。



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by Ataron | 2017-04-13 23:57 | 撮影機材/技術 | Comments(1)

Panasonic G8 内蔵マイク の音質改善

2017年 03月 09日
Panasonic DMC-G8 の動画機能は、これまでのGH4に劣らないほどの性能ですが、内蔵マイクは本格的な音質を期待できない様に思えます。 本体のマイクはホットシューの両横にあり、小さな穴で(防水の目的とも考えられますが)、マイクは上方を向いています。 これでは環境音は録音出来ても、撮影対象からの直接音を拾うには適した設置ではありません。 マイクロフォンを音源に向けるのは、録音の原則ですから。

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Pana に限らず、カメラ内蔵マイクは最低限の装備で、良い録音には外部マイクを使って欲しいというのが、メーカーの姿勢でしょう。 色々な制約は仕方の無い事です。 でも、ちょっとしたアイデアですが、直接音を拾い易い様に「音の反射板」を置けば、どの程度の変化があるかと思い、これを試して見ました。



最初に作ったのが、下のアクリルの2部品を組み合わせたものです。 試作品なのでホットシューにセットする基板は、取り外し易い様に長くしています。

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YouTubeの音楽動画を再生させ、PCスピーカーからの再生音を録音して、この反射板の効果を確かめたのですが、これはちょっと小さ過ぎた様です。 余り違いが感じられません。

そこで、反射板の面積を拡げて再挑戦。

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これで、反射板の効果が判る様になりました。

テストは、PCのスピーカーから約1m離れた位置で、PCモニター画面を撮影しました。(PCモニターの下両隅に70mmクラスのスピーカーが有ります)
G8の録音設定は、
▪マイクレベル設定: 0dB
▪マイクレベルリミッター: OFF
▪風音キャンセラー: OFF
としています。 マイクレベルリミッターをONとすると、実際の感度が判らなくなり、また音質の違いも判り難くなるので、リミッターOFFで、PCの音量を適当に調節して録音しています。

下の動画が、その結果を纏めたものです。


先ず、録音レベルは反射板の有る方が大きく、これは他の環境音や、カメラ本体が発生する雑音などから、有利になると言えるでしょう。

一般に低音域の音に対しては、マイクの向きは影響が少ないものです。 一方、中音~高域に向かうに従い、指向性の影響が顕著になります。 マイクの向き(ここでは反射板の効果)が強く影響するのは、その音域です。 上のテストで反射板の有る方が「明瞭?」な印象なのは、高域側を良く拾っているからです。 ハイハット(シンバル)の音が前半と後半では全く違います。

音質はキンキンし過ぎに感じますが、これは撮影時に誇張された様に思います。 下は録音元のサイトの録音開始からの部分ですが、比較すると上の音質は前半/後半ともに劣化が明らかで、かなりがっかりします。


内蔵マイクが防水対応という点も気になりますが、操作雑音等を考慮して意図的に低域をカットしているのでしょうか。 元のはベースが表に出て音階が良く判ります。 撮影/録音した方の音は明らかに低音域が削がれてバランスが悪いと思います。 反射板はその傾向を更に強めてしまい、反射板のない後半の方が「まだ元に近い様」に聴こえます。 内蔵マイクによる録音特性は、悪いなりにも聴感を考慮しているのかも知れません。(※最後の注釈参照)

もし、こういった反射板を利用するなら、動画編集時に音質調整で高音域を少し抑えるべきでしょう。(これは、結果的に高域のノイズ特性の向上となります)

厳密なテストではありませんが、録音ゲインを物理的に稼ぐ事が出来るのが確認されたわけで、使い方によっては反射板の効果はマイナスではないと、私は考えています。 またこのテストの結果は、カメラ内蔵マイクの前方向き配置が、音質改善に繋がると推測させます。 内蔵ストロボの「LUMIX」ロゴの位置など、良さそうな候補場所はありますが...

〔注釈〕
Panasonic はマイクロフォンに関して、多くのノウハウを持つメーカーです。 Panaの汎用ユニットが安価で品質が優れている様で、「WM-61A」「改造」等で検索するとマニアによる改造記事が多数検索されます。 それらの記事を読むにつけ、素性の良いユニットであれカメラ内蔵という不利な条件は致し方ないのかと思えます。

GH5では、ボディからの音を別個に拾い、外部音に混入するボディ雑音を差し引く方式を導入した様です。 その効果はどの程度でしょう? 最終的に音に拘るなら外部マイクと言うことが、ふたたび頭に浮かびます。



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by Ataron | 2017-03-09 01:35 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

Panasonic Lumix G8 Fnボタンのカスタマイズ / MFアシスト

2017年 02月 13日
現在では、ミラーレス1眼カメラは各社から発売されていますが、その先陣を切ったのが Panasonicです。 ミラーレス機がオールドレンズや銀塩時代のレンズを有効に利用できる事に気付いた慧眼なユーザーは、この今までに無かったスタイルに思いおもいに踏み込んで行ったのです。

これを決定的にバックアップしたのが「MFアシスト機能」です。 画素数増加で肉眼でのマニュアルフォーカスが不完全な状態を、EVFの拡大機能で救ったのがこの機能で、ミラーレス1眼の画期的な機能のひとつと言えます。



私は、野鳥の望遠撮影を通じてこの機能に着目し、G1、G3の機種でボディの改造を行い、瞬時にMFアシストを起動するスイッチを作りました。 当初のMFアシストは(純正レンズ以外では)起動に2ステップの操作が必要で、マウントアダプターで装着したレンズでは扱い難いものだったからです。


G3では、本体の「iA」スイッチ(インテリジェントオート)の配線を改造して、MFアシスト起動スイッチに変えています。 これは非常に便利で、超望遠やマクロ撮影時に純正レンズを使用しない場合はフォーカスポイントの拡大表示(MFアシスト起動)となり、純正レンズの場合は「絞り値」「シャッタースピード」「露出補正」の切替えスイッチになります。 後ダイアルのプッシュスイッチを代行させただけですが、レリーズボタンに並ぶため非常に扱い易くなりました。 下の写真の様に、樹脂製のネジの頭をスイッチに張り付け、探し易く押し易くしています。

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その後の Panaのミラーレスの設計は何段階も練り直された様です。 G8を導入して色々な進化を目の当たりにしますが、G8の操作性の良さは素晴らしいものです。 G3はコンパクト化に専念していた時代ですが、G8はそれを他シリーズに任せ、本格的で纏まりの良い操作性を獲得しています。 手にしっかり馴染み、ダイアル類は操作し易く完成度の高いものです。

さて、純正レンズ以外でのMFアシスト起動は、背面十字スイッチの「左」を押すだけのワンタッチ起動です。 しかし、撮影時にファインダーを覗いた状態では少し操作し難く、なかなか手探りで操作できません。

従って、MFアシストを頻繁に繰り返す超望遠やマクロ撮影では、やはりレリーズボタン周囲にMFアシスト起動ボタンが欲しいと感じます。 純正レンズなら、全く問題はないでしょうが。

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G8ではカスタマイズ可能なFnボタンが多く、この要求には「Fn1」「Fn11」のカスタマイズで対応できそうです。 もはやG3の様な改造が必要ないのは、とても有難いことです。

下図は、静止画撮影時にFnボタンに割り振る事の出来る機能一覧で、表の機能なら各Fnボタンのどれに設定してもかまいません。

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例えば「Fn1」のボタンに「AFモード/MF」(右は設定中のメニュー画面です)を設定すれば、非純正レンズを装着時に「Fn1」ボタンを押せば MFアシストが起動します。

もし非純正レンズの撮影でMFアシストを多用しているなら、この様なカスタム設定をC2等に登録すれば便利でしょう。 撮影が素晴らしくスムーズになります。



レリーズボタン周囲にあるFnボタンは「Fn1」「Fn11」だけですが、これらのデフォルト設定はとても重要で、他の機能に変えてその操作性を犠牲にするのはいただけません。 「露出補正」や「ISO変更」等を殆どしないというなら別ですが。 従って、先に書いた様にモードC2等として、非純正レンズなどの場合のみの設定にするのが妥当と思います。

しかし、レリーズボタン周辺には「動画ボタン」が余っています。「動画ボタン」は Panaとしては譲り難い独立スイッチの様ですが、私は静止画撮影が専らで、誤って動画撮影しない様にこれを「OFF固定」にしています。 つまり、私には全く意味の無いスイッチで、こんなユーザーも案外多いのでは。 動画撮影する場合はモードダイアルを「動画」にして、レリーズボタンで撮影操作が出来ますし。

今回の様に、もうひとつFnボタンがあったらと考えた時、この「動画ボタン」は実に勿体ないわけです。 システム的に「動画ボタン」のFnボタン化が可能なら、ぜひともこれはFnボタンにして欲しいものですね。



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by Ataron | 2017-02-13 22:35 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

Panasonic G8 のハンドストラップ(自作)

2017年 01月 04日
いつの世代からLumixのストラップ幅が拡がったのか知らないのですが、G8に着いて来たストラップは35mm幅のしっかりしたものでした。 新しい機種を使い始めたら、ストラップをハンドストラップに改造するのが、私のやり方になっています。

望遠やマクロなど三脚を使う場合に、普通のストラップはひっかけて三脚を倒す恐れがあります。 また、バック収納の邪魔になり、首からカメラをかけて持ち運ぶ方法は何かにぶつけそうです。 そんなわけで、デジタル以降のカメラはハンドストラップを使って来ました。 EOS7Dも5Dも、片側ストラップでぶら下げても充分に強度があります。 そもそも普通は右手でカメラをグリップしていて、万が一手を滑らせた時の保険ですから。


私流ですがハンドストラップは手が通るぎりぎりの径がベストと思っています。 昔は、必ず手首まで通して、その上でカメラをグリップしていましたが、今は親指は通さずに、カメラとストラップを一緒に握る様な持ち方が多くなりました。

G8のストラップは、ちょうど真ん中で半分に切り、更に手の大きさに合せて少し切って適当な径になりました。 よほど手が大きな人でなければ、添付のストラップは2本のハンドストラップを作れる長さがあります。 ストラップの径をどの程度にするか、縫い代で径が小さくなる分も考慮して、慎重に最適な長さに切る事が肝心です。

適当な長さに切ったら、ストラップの断端のホツレを防ぐために、熱で処理します。 私はライターであぶって断端を溶かしますが、ちょっと練習すれば要領が判ります。 余り火に近いと燃え始めるので、火を近付けたり遠ざけたりして適度に溶かし、後は自然に冷やします。

下図は、ストラップの縫い合わせの位置や範囲を示したものです。

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ミシンが使える人は楽ですが、私は手作業で縫います。 太めの糸を使い、心配なら何重にも重ねて縫うといいです。 縫い合わせの剥離は、最悪でも少しずつほどけるので弱くなれば判ります。 実際には、私は一度も縫い合わせが剥がれた事はありません。

下は、実際に仕上がったハンドストラップと、元のストラッブの余った残り半分です。

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ハンドストラップのカメラへの取付けは、普通のストラッブと同様ですが、細紐の長さは「8の字具」「0の字具」が使える長さで充分です。 カメラに細紐を通して8の字具から引き出し、適当に余裕を残して切ってしまいます。 下は固定部分の状態です。

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細紐を切った断端も、先と同様にライターの火などでホツレ防止の処理をします。
以上でハンドストラップの完成です。

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もちろん、このアレンジは殆どのメーカーのストラップで可能でしょう。 私は、いっそブランド名入りハンドストラップを出すメーカーがいたら面白いと思います。 紐の固定具ももうひとひねりして帯端に固定するとか。 まあ、それはサードパーティに仕事の余裕を与える配慮が働くのかもしれませんが。




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by Ataron | 2017-01-04 18:21 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

SDカードのLOCKタブ

2016年 12月 28日
SDメモリーカードには誤消去防止のLOCKタブがありますね。 私が日常的に使用していたSDカードの一枚が、頻繁にLOCK側に意図せずセットされる様になって来ました。

カードの出し入れの際に、このタブが僅かにスロット入口などに当たり移動するのでしょう。 今までそうならなかったのは、このタブのクリックストップが有る程度抵抗していたからで、クリックストップの緩みが進んだのだと思います。

で、対策としてタブが挿入時に周囲に当たり難い様に、カッターで削ったのです。 この時私は、漠然とこのタブがシンプルなスイッチだとイメージしていたのです。 愚かでしたね~。
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SDのリーダーで試すとあきません、全くメモリーの消去が出来なくなってしまいました。 これでやっと、このタブは単なるスイッチを押す飛び出しで、読み取りスロット側にスイッチがあるのだと気付きました。 昔のカセットテープの消去防止ツメと同じだったわけです。

数百円とはいえ勿体ないので、タブを1/3ほどLOCK側に移動した位置で接着剤固定しました。 その位置あたりだとスロットの検出突起が当たり、なんとかLOCK解除になったのです。

ただ、スロットに入れるパーツの接着剤固定は勧められない事です。 接着剤の削れ分が出て、これがスロット内に入り込んで不具合を生じる事が有り得るからです。 接着剤の余分が表面に残らない様に、拡大鏡で見ながらマイクロドライバーで除去しました。 今度は接着が怪しくなり、いよいよ信頼性のないカードになってしまいました。


1990年初期に、ショップ組立てのデスクトップPCを購入した事があります。 確か100MHz等がペンティアム最速の時代でした。 当時のパーツの信頼性はいまひとつで、ショップの判断で40pinATAケーブルのコネクタを、ディスク側コネクタに接着剤で簡易固定していました。 搬送途中で振動で抜けるという事があったかららしく、今のパーツでは余り考えられない事です。

それ自体は良かったのですが、この作業で溶融ガン型の接着剤が糸を引いて、クモの糸の様に空中に舞ったのでしょう。 どういうわけか、この糸がフロッピーディスクのスロットに入り、フロッピードライブの軸に巻き付いたまま私に出荷されたのです。 この糸は外れる事なく、しかもフロッピードライブも普通はちゃんと動作したので「時々生じる謎のフロッピー読み取りの失敗」に悩まされ続けました。

ある日、意を決してドライブを分解し、このからまった糸を見つけ全てが判り解決したのですが、その長い間のトラブルは安易な接着剤の扱いの結果です。 接着剤は極めて有効なグッズですが、その便利さの裏にはけっこうリスクがあり、私はいつも扱いには注意をしています。


SDカードでちょっと調べていたら面白い記事がありました。 マイクロSDカードを内蔵した入れ子型のが販売されていたという話で、まあ性能上の問題がなければそれで良いんですが。

たかがSDカード、されどSDカードです。




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by Ataron | 2016-12-28 11:03 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

Panasonic DMC-G8 / 4K連写とSH(超高速)連写モードの区別

2016年 12月 23日
Panasonic マイクロフォーサーズの高速連写機能で、最近の仕様には「4K連写」が搭載される様になりました。 以前からあった「SH(超高速)連写」との違いが判り難く、今回整理してみました。

これらの連写機能は共通して電子シャッターによる撮影機能で、本質的には兄弟関係の機能です。 Lumix M4/3 は、動画と親密なシステムとして展開されて来たので、動画撮影機能の静止画撮影への応用は得意です。 SH連写は、その最初の試みとして4K以前の動画機能を応用して登場し、その後導入された4K動画の機能から4K連写が作られたと言えます。

現在のG8等の機種では、この両方の機能が搭載されていますが、いずれ動画機能は6K連写等に進化するのは自明で、SH連写は無くなると私は予想しています。 ただ現在のところは、SH連写は4K連写にないローカル得性を持っているので、機能を残されたのでしょう。

Panasonic DMC-G8 について、その違いを以下に示しますが、内容は現在の他の Lumix M4/3 機にも共通していると思います。


先ず以下に、連写機能の一覧表をマニュアルから拡張して整理しました。

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4K連写と[SH]超高速の欄に注目してください。
◎[SH]は40コマ/秒で、4Kの30コマ/秒より高速。
◎[SH]の記録画素数[S]に対して、4Kは[M]クラス。
この項目の内容は、画像の読出しや生成のハード能力をベースに、別の2種の連写仕様を採ったと推測できます。

同じ4:3画素出力で比較すると、[SH]は400万画素、4Kは800万画素です。(他の縦横比出力では、4Kは800万画素を常に維持して更に差が出ます)
その代わり、[SH]はM4/3センサー全域から画像を生成し、画角の減少がありません。 広角撮影に向いた画像生成と言えます。 画素数が減ります(絵の密度が荒くなりクロップ耐性に劣る)が、一般撮影の撮影画角を維持出来ます。

逆に4Kは、センサーの中央部をクロップして画像を生成するので、レンズ本来の画角がかなり減っています。 しかし、その狭いエリアを[SH]の倍の画素に出力するので、絵の密度は[SH]に比べ明らかに差が出ます。 テストして見ると、4K連写の出力画像は、普通の撮影の最高画質(L)に匹敵する画素密度だと判ります。 画角が減った事も合わせると、望遠撮影に向いています。

以上の様に、[SH]と4Kの連写画像は異なった方向性を与えられたものです。 [SH]は本来のセンサー全域を使い画角を維持したもの、4Kはセンサーをクロップして画素密度を高めたもの、と考えると判り易いでしょう。 センサーの画素の取込みや処理速度が向上すれば、いずれはセンサー全域を使う高速撮影に統合されるでしょう。


更に、4K連写は動画機能を[SH]以上に有効に採り入れた点で優れています。

[SH]が撮影開始時のAF/AEに固定されるのに対し、4KはAF/AE動作を撮影中に連続して行います。 マニュアルの表記が微妙ですが、おそらく動画撮影時のAF動作(AFCとは少し異なると推測します)を行い、AEも動画撮影時の動作と思うのですが、これらは未確認です。

また撮影時間の制限は、[SH]が3secに対し4Kは無制限で、これは圧倒的です。 高速連写機能を利用したフォーカスセレクト/フォーカス合成なども、4K連写をベースに展開しているので、Panasonicは高速連写撮影の主軸を完全に4K連写に移行させたと考えて良いでしょう。


下図はセンサー全域に対して、4K連写で得られる画角の範囲を精密に実測したものです。 4種のアスペクト設定で4K連写と標準撮影のサンプルを撮影し、グラフィックアプリ上で正確に重ね合わせて境界線を描画しています。 得られた結果を縮小していますが、4K動画がセンサーのどの部分をクロップしたものかが良く判ります。

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下図は同様の手法で、標準撮影の各アスペクト設定時のクロップ境界線を描画したものです。

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少し複雑になりますが、これらを重ね合わせたのが下図です。

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上図から、説明に必要な部分だけを取り出したのが下図です。

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下側の出力画像サイズの表と上図を良く見比べると、4K画像がセンサー画素とリニアに生成されるのではない事が判ります。 例えば、4K画像の3:2の縦は2336pixで出力されています。 上図で4Kの3:2画像のセンサー上の領域(淡青部)は、標準撮影の16:9クロップの領域とほぼ同じ高さです。 これはセンサーリニアで2584pixですから、4K画像は約90%程度に縮小して出力されている事になります。

調べて行くとこの縮小率はアスペクト比により変化し、1:1の場合は逆に拡大して出力しています。 1:1の出力は4K画像の中で最も画素密度が高く、静止画に匹敵する精細なものという計算になります。

以下は、4Kの撮影する実際の横ピクセル値を、上図のモニター上の幅を実測してセンサー横幅との比率から割り出し、4K出力画像の横ピクセル値の拡縮率を求めて表にしたものです。

 縦横比  撮影する横ピクセル値   出力画像の横ピクセル値  出力画像の拡縮率 
4:3約3570pix3328pix0.93
3:2約3780pix3504pix0.93
16:9約4120pix3840pix0.93
1:1約2670pix2880pix1.08



画素数値から比較をして来ましたが、実際の画像の比較はこれを裏付けるものです。

サンプルはG3/G8の回折限界のテストと同様の被写体で、G8にG20mm F1.7を着け、三脚固定で手ブレ補正、各種フイルター処理、超解像、等をOFFとして撮影し、遠景の中央フォーカス部の等倍像を比較しています。

最初は、標準の撮影と、[SH]連写の比較です。

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[SH]連写は50%以下に縮小された出力で、画角は標準撮影と変わりませんが、やはりトリミング耐性は望めません。

次は、標準撮影、4K連写の4:3出力、4K連写の1:1出力、を比較したものです。

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4K連写の4:3出力は、僅かに標準撮影より縮小され、4K連写の1:1出力は少し標準撮影より拡大されています。 4K連写の画像は、殆ど標準撮影と同等の精細さを確保している事が判ります。 1:1が更に上かと言えば、これはセンサーリニア以上の出力ですから、拡大時に何等かの補完処理があるとしてもクオリティーは同等と思います。

等倍画像で見ると、4K連写の有効性が強く感じられます。 現在の唯一の弱点は画角の縮小ですが、将来の連写スタイルを示す強力な機能です。




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by Ataron | 2016-12-23 02:12 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

LumixG8 の回折限界(小絞りボケ)と回折補正 (RAW現像を比較に追加)

2016年 12月 19日
先日、Lumix DMC-G8 と DMC-G3 の小絞りボケのテストをしました。



上のテストで気になった点は、G3とG8のJpeg出力の色や、露出が異なる問題です。 カメラのホワイトバランスを精密に一致させる事は困難で、ホワイトバランスの精密設定を行ってもなかなか思う様な結果が得られませんでした。 また、G3の露出補正を+2/3とするとG8と等しい露出時間が得られ、その撮影でほぼ同等の明るさの画像が得られました。 つまり、センサーと画像処理部で構成される総合的な感度はこの2機種間で等しく、AE(適正露出値の算出)の動作に違いがある様です。

今回は、G3とG8とも自動露出の補正なしとし、G3/G8の出力をJpeg+RAWとして現像で明るさの違いを補正しました。 色あいの違いについては、RAW現像に同一のパラメーターを適応して差を減らしました。(完全に一致はせず、G3とG8で微妙に異なります) 前回と同様のテストを繰り返しているのですが、サンプルの均質さ正確さを高める事と、両機でJpeg出力とRAW出力の違いも確かめようと考えたからです。

▪日照条件は前回より安定していましたが、気流の影響は若干あります。
▪三脚固定、手ブレ補正:OFF、レリーズ使用、マニュアルフォーカス(固定フォーカス)、メカニカルシャッター使用、各種フィルター処理:OFF、ピクチャースタイル:スタンダード。
▪絞り優先Aモード、ISO200。絞り値 F7.1 , F8 , F9 , F10 , F11 , F13 , F14 , F16 の8ポイントで撮影。
▪露出補正無しで撮影したJpeg出力は、G3が暗い画像で色味もG8と差が大きいものです。 RAW現像の出力はこれが抑えられています。


〔G3 Jpeg出力〕
b0174191_18432872.jpg

〔G8 Jpeg出力〕
b0174191_18443585.jpg

〔G8 En:回折補正 Jpeg出力〕
b0174191_18450913.jpg

少し絵が小さく判りにくいので、以下に F7.1 と F16 の各結果の2倍拡大像を、比較して示します。

〔G3・G8・G8 En〕F7.1 の Jpeg出力比較
b0174191_18521816.jpg

〔G3・G8・G8 En〕F16 の Jpeg出力比較
b0174191_18564691.jpg


ここまでは、前回のテストのおさらいで、前回と全く同様の結果と言って良いと思います。

今回はRAWデータから現像したものを比較しました。 回折補正はG8内の現像処理に付加された機能なので、RAWデータはこの補正はされません。 また、現像設定でシャープネス処理を全く行っていません。

b0174191_19074056.png

現像アプリのSilkypixの設定は、上図の様に標準化に徹したもので、G3の場合のみ露出補正+0.8 としました。

〔G3 RAW現像〕
b0174191_19133905.jpg

〔G8 RAW現像〕
b0174191_19215235.jpg

シャープネス処理をしていないので、Jpeg出力に比べて甘い絵になっています。 回折の影響が同様に生じているのは見てとれますが、先と同様に F7.1(良好な条件)F16(回折ボケの明らかな条件)で2倍拡大して比較してみます。

〔G3・G8 〕F7.1 の RAW現像比較
b0174191_19320409.jpg

〔G3・G8〕F16 の RAW現像比較
b0174191_19352300.jpg

RAW現像の結果で比較すると、G3とローパスフィルターレスの G8 との画像の差が微妙なものに感じられます。 Jpegを比較した時ほど解像感の差が無い様な気がして来ます。 現像処理のシャープネスの付加は大きく解像感に影響しますが、それに比較するとローパスレスによる差は本質的な向上ではあるが、その効果は上記程度の僅かなものなのでしょう。 ローパスレスだと大騒ぎしてはいけない様です。

まあ、微細なところに拘らなくても、G8は色々と新しい機構を備えています。 G3から5年間の蓄積を、これから現場で確かめてみたいと思います。






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by Ataron | 2016-12-19 19:56 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

LumixG8 の回折限界(小絞りボケ)と回折補正

2016年 12月 16日
先週、Panasonic DMC-G3 の小絞りボケの簡単なテストをしました。 結果は以下を参照ください。

Panasonic DMC-G8 を導入したので、さっそく上記のテストにならって G 20mm F1.7 を着けてテストしました。 日照や太陽の位置などで、遠景の状態が変わるので、DMC-G3 に関しても再度テストして比較する事にしました。

テストポイントは前回の中央のみとし、等倍像を切り出しました。
カメラの設定は、ノーマルで各種のフィルター処理をOFF、手ブレ補正OFFで三脚固定とし、メカニカルシャッターで撮影し、Jpeg出力で比較しています。 撮影は絞り優先Aモード、ISO200 ですが、G8の絞りブラケットを利用したので、絞り値は F2.8 , F4 , F5.6 , F8 , F11 , F16 の6ポイントにしています。

テストで問題になった点
▪F2.8では、シャッター速度上限を超えて飛び気味です。 NDフィルターを利用するとF16でシャッターブレが心配になるので、そのままテストしています。
▪気流の影響が若干あります。 それ以上に日照(雲)の変化が多く、何度か撮影して比較的揃った日照のものをサンプルに選んでいます。
▪G3とG8では、G8の方が画像の色味やコントラストの設定が派手目の様な結果になりました。
▪G3は露出補正(+2/3)でG8と同等の露出時間となるので、G3側を補正して撮影しています。


〔G3〕
b0174191_20580225.jpg

〔G8〕
b0174191_20584651.jpg

〔G8 En :回折補正ON〕
b0174191_20593102.jpg

G3 も G8 も、F11以上で小絞りボケの傾向が見え始め、F16では明らかなボケを確認できます。 G8はローパスフィルターレスの効果でしょうか、F値全体に渡って解像感が向上しています。(追記:但し、これはG8の絵作りも関係していそうだと後のテストで考える様になりました)

G8の回折補正は、自動適応のアルゴリズムが不明ですが、おそらく絞り値の大きい場合に補正を強くするのではと思われます。 しかし、このテストを見る限りでは、開放に近い絞り値の画像もエンハンス(アンシャープマスク)の影響が見られます。 また当然ですがF16の小絞りボケは改善されるが、ボケが無くなるわけではありません。


3者の撮影タイミングを出来るだけ近付けるため、F16の撮影だけをして比較したのが以下です。 空を背景にしない家並みの部分も入れて比較してみました。

b0174191_21423245.jpg

回折補正はコントラストの調整もしている様に見えます。

また、ついでに最初のテストのF8の撮影を、同様の切り出しで比較したのが下です。

b0174191_21473408.jpg

Jpegの出力に関しては、G3に比べてG8の絵は充分にエッジが立っていると思います。 従って、シャープネスをかけすぎた不自然さを好まないなら、回折の影響の見えない条件の撮影に回折補正はしない方が良さそうに感じます。 カメラの選択メニューはAUTO/OFFですが、常時AUTOは考えものだと思いました。(RAW現像を常としているなら別にAUTOでも良いでしょうが) また、上記のテストは全て等倍レベルの比較で、拡大の少ない画像の扱いでは差は判らず、野鳥撮影などトリミングが強い場合に見えて来るレベルでしょう。

回折の影響(小絞りボケ)が明らかな条件では、拡大像での違いは明らかでG3とG8の差は無い様に思います。 その影響は、細部でなくても全体のコントラスト低下の印象があります。(前テスト参照) 明らかに回折ボケの考えられると判っている撮影なら、Jpeg運用なら回折補正を入れて手間を省くもよし、後処理で劣化分に適切な処置を考えても良いと思います。 まあ実際は、私はそこまで絞らず撮る事になると思いますが。



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by Ataron | 2016-12-16 21:53 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

マイクロフォーサーズの小絞りボケ(回折限界)

2016年 12月 09日
マイクロフォーサーズの最近の傾向として、ローバスフィルターレスのセンサー導入が進んでいます。 一方で16Mピクセルを超えるセンサーに向かう傾向もありますが、私は16M/ローパスレスのタイプが望ましいと思っています。 やはり、暗所ノイズやダイナミックレンジ、要するに「絵の元気さ」を考えると、現在のセンサー性能では16Mの方が好ましそうに感じるからです。

「絵の元気さ」というのは私の勝手な言い方ですが、以下の内容で理解できると思います。 そろそろ Panasonic DMC-G3 の次世代への更新をしたくなって来たところで、少し16Mピクセルセンサーの回折限界について確認して見ました。 以前、18Mピクセル(APS-C)の EOS7D の回折限界をテストしています。 Pana のマイクロフォーサーズではしておらず、次世代 Lumix 導入に向けた下調べです。



テストは、 Panasonic DMC-G3 で、レンズは所有の純正レンズで最も優れた特性と思われる G 20mm F1.7 を使用しました。 三脚固定で毎回遠景に中央1点でAFし、F6.3からF16(このレンズの最大絞り値)まで1ステップずつ絞りながら撮影。 絞り優先Aモードで、露出補正なしの自動露出です。 以下のサンプル画像は、全てクリックで等倍に拡大表示します。

下は撮影の全体像で、元画像を約1/6に縮小しています。
①はフォーカスしたポイントで、➁は画質比較のために追加して選んだ範囲です。

b0174191_20091898.jpg


下は、①の等倍像をF値の順に並べたものです。

b0174191_20165557.jpg

少し判りにくそうなので、元画像をリサンプルした2倍画像(拡大像としては良質の画質と思われる)から切り出してみたのが下です。

b0174191_20321863.jpg

F値が増えるに従って、緩やかにボケて行ってるのが確認出来ますね。 これは、EOS7D(APS-C)のテストでも確認された事と同じです。

F6.3より下側はどうなのかは、Ganref のデータでおうよそ判ります。 Doxによる測定グラフは下の様なもので、F4以下では絞りが尖鋭度を増す様に普通に働いています。 F6.3 以上の絞り値では、緩やかなボケが増加して、このグラフは今回のテストの結果の通りです。

b0174191_20440624.png

回折の影響は、本質的には開放絞りにも存在するが、一定の範囲を超えるとその影響が目立ち始めるものだと私は考えています。 その理由で、小絞りボケが始まる絞り値を、正確には決められない様に私は思うのです。 理屈はどうあれ、様々なファクターがレンズには混在するので、こういう実際のテストで写りの感触を知っておく事は有効だと思います。 私は今まで、マイクロフォサーズの絞りは、一桁を超えるF値は用心の範囲、好ましくはF6.3以下でというのを、アバウトなセオリーにして来ましたが、やはりこれを追認したところです。

最近のカメラには回折を画像処理で目立たなくする機能を備えているものが多いのですが、これに惑わされて小絞りボケに無自覚だと、結果的に得られる画質の低下を抱え込む可能性があるでしょう。 こういった処理はお化粧で、センサー上で拾える画質が良ければ、おのずと結果は良いものになり、それは化粧では越えられないと思います。

上の①は、極めてマクロ的に画像の細部を判断したものですが、もう少し俯瞰して見た場合を➁の等倍像で確かめます。

b0174191_20525562.jpg

①と同様に、左側F6.3の細部は、右側ではボケてしまっています。 また、右側は全体としてコントラストが僅かに低下し、淡いフレアーがかかっている様にも見えます。 私は何か色が濁った様に感じて、これを「元気が無い絵」と言ってます。 ①のテストでは、背景が空でこのフレアー感に気付き難かった様です。

更に、画像全体(約1/6縮小)で比較したのが下です。

b0174191_20591268.jpg

この様に縮小すると、細部の尖鋭度の低下は判らなくなりますが、フレアー感は残っています。 デジタル処理に拠ってこれは判らない程度に救えますが、カメラの回折補正と同じで一度落とした質で無理をしている事になるでしょう。



小絞りボケは、計算に入れて扱うべきだと思いますが、全体的な俯瞰では余り目立たない範囲のボケとも言えます。 例えば、深い被写界深度で遠景と近景を同時に入れたい場合、小絞りボケの気になる絞り値が必要になるかも知れません。 また、水流や通行者をボカす長い露出のために大きく絞る必要があるかも知れません。 そういった場合、気にせず絞るのが正解と思いますが、絞りブラケット等の便利な機能も出て来たので、ベストな絞り値を求めると言った事も試し易いでしょう。



ローバスフィルターレスのセンサーで同様のテストをした場合は、どうでしょうか。 画像エンジンの処理上で幾分異なる所もあるでしょうし、違いがあるのか無いのか興味のあるところです。



以下の G3、G8、G8回折補正処理、を比較したテスト結果も参照ください。




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by Ataron | 2016-12-09 21:10 | 撮影機材/技術 | Comments(0)

ズボラ物撮りライティング方法

2016年 09月 30日
昨日のカメラの写真、物撮りで良くあるやつですが、主眼はクローズアップレンズの丸みを出したかった。 まあ、それは失敗ですね。

ところでライティングは、今までは基本にならって最低2ランプでする事が多かったのですが、最近はもっぱら「ライトセーバー法」を使う事が増えました。 昨日のもそれで、15w電球型の白色蛍光燈(ネオボール)1個で適当にやっつけてます。

●カメラの設定はMモード。 絞りは深い目のF8以上、ISOは最低、つまり感度を思いきり下げる。
●マニュアルフォーカス。 絞り込み過ぎの回折ボケに注意。
●NDや偏光フィルターも有りで、特に後者はテカリ調節に有効なのであれば使います。
●ライトは余り明るくない物を使う。 本来フラッドな面照明の代わりなので、本当は棒状が好いらしい。
●周囲を暗くしたり黒幕で映り込みを防ぐと完璧だが、私は他照明を消す程度で適当です。
●背景は白い紙が普通、適当な布を用意する事もあり。
●三脚は必須、2~8sec程度の露出を状況に合せて調節。
●露出中にランプをカメラの画角に入らない範囲で動かして、影を消したり広い面反射を作ったりする。 これがミソ。 露出時間をある程度長くして、照明を動かす時間を稼ぎます。
●特別な反射を補助照明で入れるなど、他にも柔軟なアイデアを盛り込む余地があります。

下は昨日のリストで、適当な露出時間と良い影の具合を探りながら何度か撮影し、後で出来の良いのを選ぶわけです。 ライトの動かし方は適当、自分で試して上手い方法を体得するしかありません。

b0174191_16322142.jpg

この「ライトセーバー法」、最近は知る人も増えた実に有効なテクニックで、私のはそのまたズボラ版ですが、詳しくは下のリンクを参照してください。

  プロ並み写真がすぐ撮れる「LEDてるてる棒」

ズボラ撮影は良いのですが、後でもっとホコリを払ってから撮れば良かったと思う事が多い。 スタンプツール(デジタルならではの有り難い機能)を使いながら、いっつも思うのであります。



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by Ataron | 2016-09-30 17:14 | 撮影機材/技術 | Comments(0)