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真空管アンプの夜 (1)

2011年 05月 04日
現在、私がオーディオとして使っているメインアンプは、KT88シングルの真空管アンプです。 Sun Audio社製キットから2005年に製作したもので、このキットのリニュアル版は現在も販売されています。 下のリンクを参照ください。

  Sun Audio ホームページ
  SV-KT88

このアンプキットを製作して、私は回路的なカスタマイズの必要を感じたのですが、それは以下の点です。
①初段管の6SN7のヒーターハムがどうしても耳につく。
②KT88がハイゲインと思われるが、ゲイン過多で入力ボリュームが扱い難い。

②に関しては、接続する外部機器の出力、スピーカー能率、オーディオセットの使用環境などで、問題のない場合もあるかもしれません。 しかし、私の聴取環境では、ボリューム9時の位置が常量となり、操作上も音質上も不都合は明らかでした。

以上の2点は、製作の参考にさせて戴いた方も、ホームページ上で同様の指摘をされており、①については初段管ヒーターをDC点灯とする、②についてはNFB(負帰還)をかける、 という改良で対処されています。
私の場合、この先人の改良を予定しつつ、キットの回路通りに組んで行きました。そして、音が出た段階の試聴で問題を追認したので、改造しながら完成させました。

私の施した改造の内容は、
①に関しては、初段管ヒーターを、若干の部品を追加してDC点灯とする。
②に関しては、KT88のウルトラリニア接続を3極管接続に改める。
というものです。

このキットを製作される方が参考にされることがあればと思い、ここにその内容を紹介します。

〔追記〕2016.09
当社の SV-KT88 は、各種パーツをグレードアップして販売されています。 製作から時間が経過し、その後にキットの回路構成に変更があったかは、私には確認が出来ません。 真空管アンプの常識から考えると、回路上の変更があってもマイナーな定数値の調整に留まると思われますが、回路は当記事と相違がある可能性を考慮ください。

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下は Sun Audio 同封の元回路図を清書しなおしたものです。 電源トランスのヒーター用引出し線以降のヒーター回路が省略されています。(真空管回路図には定型省略が多い)
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改造点①
下は初段管ヒーターをDC点灯に改めた回路図です。
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※RS604LはダイオードブリッジICで、余裕を見て6Aタイプとしています。
※25v/4700μFと16v/10000μFは、特に厳密な容量値ではありません。 この2個は形状が全く同じで、実装上で都合がよいものでした。
※0.47Ω 5wタイプの抵抗はコンクリート抵抗です。
※下は、部品の大きさを示したものです。
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写っているコンクリート抵抗は0.33Ωですが、ヒーター電圧の仕様値6.3vには0.47Ωの方が近くなりました。
※DC点灯でハムは全く聞こえなくなります。 このキットのホームユースでは、必須の改良点と思います。

改造点②
下はKT88のウルトラリニア接続を3極管接続に変更した回路を示しています。
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※元回路では、4ピンはアウトプットトランスのSGタップに接続しています。これを外して、4ピンと3ピンに繋がったタップの間を100Ωの抵抗を介して配線しています。 この抵抗はグリッド保護抵抗で、値は一般に習ったもの。寄生発振の防止効果もあるとされています。
※3極管接続に変更することで、出力は1/2~1/3程になります。 音質はギスギスした印象がとれて、3結の音そのものになります。 私は、明らかにこちらの音が良いと感じるのですが。

改造点③
以上でもゲイン過多な場合、入力部にアッテネータを構成する例です。 元のボリュームは100KΩですが、そのまま抵抗を直列に入れると、入力インピーダンスが高くなりすぎノイズ上不利と思います。 下の様に、ボリュームを10KΩ(Aカーブが適)の物に換え、直列に50KΩ程度の抵抗を配する方が良いと思われます。
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# by Ataron | 2011-05-04 20:25 | 音響関係 | Comments(0)