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EOS 7D ショックレス撮影のテスト (2)

2009年 11月 03日
先のテストで、サイレント撮影機能の有効性は予想通りの結果だった。オートフォーカスの使えない超望遠撮影の場合、「ライブビューでのフォーカス合わせ→サイレント撮影」という操作に慣れるに従って、これがメインになりそうな気がする。フィールドの明るさ、ライブビューの暴れなどにより、従来のファインダーに頼る方が良い可能性はあるものの、じっくり対応出来る場合は、こちらがベストに違いない。

前回にはリモートスイッチが無くて連写のテストが出来なかった。いずれ必要なのでETSUMI製のものを入手した。純正よりリーズナブルな価格で造りは問題なし。説明書にない謎のマイクロジャックの穴があり、気になるので分解して見た。
EOS 7D ショックレス撮影のテスト (2)_b0174191_20301141.jpg
やはり基板(写真の右上)にマイクロジャックが付いている。ちなみに、Kiss DN用リモートのジャックをここに挿して、リモート動作するか試したが動かない^^; 他メーカー機種用にも同じ基板で対応していて、このジャックはそのための物かもしれない。7Dでケーブル延長等が必要になれば改造して利用出来そうです。

(追記)後日、このリモコン回路を解析する機会があり、ジャックの謎が判りました。
興味のある方は ETSUMI製 キヤノンN3 リモコン(RM-L1-C3)の解析と改造 を参照ください。

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さてテストの目的は、サイレント撮影の連写時のメカニカルショックの程度を調べる事だ。何度か連写撮影のテストをしてから手順がはっきりして来て、最後に連続したテスト撮影を行った。

撮影のセッティングは前回と同じ三脚固定。撮影条件は日照の関係でISO400、1/40sec固定のマニュアル撮影。フォーカス合わせをライブビューで行い、
①サイレント単純撮影(single shooting)数コマ
②サイレント低速連続撮影(Low speed continuous)で6コマ以上
③サイレント高速連続撮影(High speed continuous)で6コマ以上
更に、モードをライブビューからノーマルに切り替えて、
④ノーマル 低速連続撮影で6コマ以上
⑤ノーマル 高速連続撮影で6コマ以上
と不必要に間をあけずに且つ手元での振動に注意しながら撮影した。

最初の①は最もブレの少ない撮影で、他の撮影を評価する基準とした。撮影時の露出や撮影位置が前回テストと少し異なり、フォーカスポイントも若干異なる様に思うが、今回のテストの範囲内で比較する分には差異は生じていない。

テスト撮影の等倍像を調べて見ると、連続撮影を開始して2コマ目以降は、いずれの場合にもブレの程度に大きな変化が見られず安定していて、よほど妙な共振のある三脚でもなければ、同様の傾向ではないかと想像される。ただ、最初の1コマ目は撮影方式により異なるので、各方式の最初の1コマ目と、6コマ目をサンプルとした。一番左は比較の基準として常に①のものを表示している。 いずれの比較サンプルもクリックで拡大して本来のサイズで表示されます。

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サイレント撮影 低速連続撮影
EOS 7D ショックレス撮影のテスト (2)_b0174191_21193352.jpg


サイレント撮影 高速連続撮影
EOS 7D ショックレス撮影のテスト (2)_b0174191_21254098.jpg


上記のサンプルから、サイレントの連続撮影の最初の1コマ目は、Single shooting と全く等質と考えて良いと判る。機構から想像された事だが、これを確認できた。2コマ目以下は、シャッター後幕動作の振動が表れて来るが、低速、高速とも良好に抑えられている印象だ。低速と高速の差は殆ど判らないので、振動の理由で低速を選ぶ必要はないと思われる。

ノーマル 低速連続撮影
EOS 7D ショックレス撮影のテスト (2)_b0174191_2142284.jpg


ノーマル 高速連続撮影
EOS 7D ショックレス撮影のテスト (2)_b0174191_21425220.jpg


ノーマルの連続撮影では、1コマ目の特典は無いと考えた方が良さそうだ。1コマ目からシャッター前のミラー動作と先幕移動があり、その振動が充分に大きいのだろう。1コマ目も6コマ目でも、低速でも高速でも、明らかな差は無く、サイレント撮影でなければこの程度の振動を常に受けていると考えれば良い。

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サイレント撮影は、連続撮影でもノーマル撮影よりワンランク上のメカニカル振動抑制を実現してくれる。もちろんシャッタースピードを上げれば、こういった振動によるブレも、被写体ブレも抑え込むことが出来るが、極力ブレのファクターを排除するのが良いのは確かなことだ。

一方で、実際のフィールドでは他にも様々なブレ要素があるだろうし、メカニカル振動が実像上でどれくらい邪魔をするかは、いまひとつピンと来ない。高感度を武器にやたら高速シャッターに頼るのはどうかと思われるが、どのあたりのISO、シャッター速度に落ち着かせるのが適当かを探って身につける必要を感じる。
by Ataron | 2009-11-03 22:27 | 撮影機材/技術 | Trackback | Comments(0)
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