5月なかば、公園に降り注ぐ陽の光が青葉を輝かせ、それは心の中にもしみこむ。
そして乾いた風がふいて来たりすれば、いつかの夏を想い出して、なんだかわくわくしてしまうのだ。
公園のそこらじゅうの樹の上から、幼いスズメの子の声が聞こえて来る。 さかんに鳴いて、親鳥たちは食べ物を運ぶしかなくなる。そんな声の聞こえる樹の下に行って、そっと覗いてみよう。いたいた、わがままいっぱいの王様だ。
親達が餌を探しに行ってしまうと、とたんになんだか眠そうな目つきだ。
顔を小枝にこすりつけてみるけど、
こりぁ、そのまま寝てしまいそうだ。
賑やかな囀りは、日がかたむいても続いていた。
車の主達も、こんな良い日には、なかなか帰って来そうにない。