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Tokina Reflex 500mm / F8   (3)

2011年 08月 01日
接着してから3日待っても、スプーンに残ったバルサムは粘性を増すも固着に到りません。バルサムの溶剤飛ばしが不完全だった様です。 バルサム層の厚さがあるのも怪しいので、固着を諦めてちょっとカメラに着けてみました。

というのは、接着前に試したところ無限遠が出ておらず(20m程まではフォーカスする)、接着部分の空気層にバルサム(ガラス等価)が充填されると、無限遠が出るのかと考えていたわけです。 これは大事なポイントで、接着不完全でも確かめる必要がありました。
その結果として判った事は、
①バルサムが充填されても、無限遠が出ない。
②バルサム層の色はオートホワイトバランスが効いて一応無視が出来た。
という事です。

①の点はとても困った問題で、マウントアダプターの不都合レベルではない様に感じました。 レンズの他の部分を調べても怪しいところがなく、脱落していた副鏡の問題と考えると、接着層の厚みが一番変に思えます。
前面レンズと副鏡が密着していれば、接着層の厚さは理想的になり、バルサム色の問題はクリアされるはずです。 そして光路長は往復で2倍短くなり、無限遠が出そうです。 この副鏡と前面レンズの非密着は、なんらかの誤った改造修理の結果ではと思えて来ました。



未固着の副鏡を外すのは簡単でしたが、副鏡はカバーの中に納まっていて、取り出すのに半日かかりました。 カバーが分解できるのが判らなかったからです。
Tokina Reflex 500mm / F8   (3)_b0174191_23211192.jpg
副鏡カパーは写真の様に副鏡枠と副鏡底プレートに分解できる構造で、副鏡は底プレートに貼りついていました。 ここの接着面にはデリケートなミラー面があるので、あえて剥離せずにおきました。 副鏡を前面レンズに近づけるには、ここを剥離して底プレートとの隙間を拡げるのがスジなんですが。

副鏡の枠が取り外せたので、副鏡を前面レンズに密着させた場合に無限遠が出るかをテストしました。
Tokina Reflex 500mm / F8   (3)_b0174191_23411463.jpg
前面レンズには未固着のバルサムが残ったままだったので、枠を外した副鏡を密着させて仮接着し、レンズ本体に戻してカメラに着けてみると、予想の通り無限遠が出ました。

これで方針は決定しました。 副鏡枠を1mm弱ほど削り、前面レンズと副鏡が密着できる様にします。
Tokina Reflex 500mm / F8   (3)_b0174191_23475344.jpg
この状態で副鏡と前面レンズをバルサムで接着します。 本来のレンズ配置は不明ですが、現状で最善と思われる修復で性能がでなければ、言葉通りジャンクとして利用を諦めるしかありません。



前回のバルサムをアルコールで除去して、二度目のバルサム接着を行いました。 前回の失敗からバルサム加熱を10分以上行いました。 スプーンいっぱいのバルサム液は、スプーンの底僅かなものになりましたが、それでも未だ粘性が足りない様な気もしました。 この加減を知るには何度か失敗が必要かもしれません。
今回はバルサム層は薄いので、バルサム色は全く気になりません。
Tokina Reflex 500mm / F8   (3)_b0174191_01871.jpg
あとは固着さえ上手く行ってくれれば、先へ進めるのですが。
by Ataron | 2011-08-01 00:02 | 撮影機材/技術 | Trackback | Comments(0)
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