パナソニックがミラーレンズを作っているという情報を聞いてから、私はミラー熱を再燃させてしまいました。
野鳥になるべく近付いて撮影する、フットワークを生かすという撮り方は、手持ち撮影が可能な長焦点の機材を要求しますが、
①ブレの許容できる範囲から考えると、現在の手ブレ補正技術では、おおよそ500mm前後が手持ち撮影の上限
②屈折式レンズに比べてミラーレンズは充分に軽量に出来、手持ち撮影の機材としては最適
これらの条件から、オートフォーカスと手ブレ機能を高度に装備した500mm程度のミラーレンズが作れれば、現在で最も手持ち撮影に適した望遠レンズとなるのではないかと思っています。
パナの情報では500mmと言われていますが、画質に無理が無ければF8よりF5.6等の方が理想です。またパナソニックだけではなく、他メーカーもミラー開発の方向性を持って欲しいものです。 そういうミラーレンズが沢山(そう高価でなく)世に出たら、野鳥撮影にとって価値ある環境になると確信します。 SONYはミラー生産を放棄してしまいましたが、パナソニックならこの夢ある道を開拓することが出来るかもしれません。
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それはさておき、パナの開発を待つというのは、私にとっては忍耐を要します。 そのあげく、ミラーレンズのオークション状況を毎日観察するという事になってしまいました。 以前にも小特集しましたが、過去には各社が色々なミラーレンズを創っていて、オークションを見ていて飽きません。 出品の中には、程度も良さそうで思わず欲しくなるのも出て来て、自分を抑えるのに苦労します。 以下に、最近のもので気になった出品を集めて紹介してみます。
Tamron SP500 F8
先ず最初は、人気の高いTamronです。 良い(印象の)物は、この位の価格になる様で、入札数が需要を物語ってます。
YASHICA REFLEX 500mm F8
YASHICAのミラーは意外に良く見かけます。 こんなにカビだらけなのに、意外に入札があります。みな、カビ落としぐらいは当たり前に考えて入札している様です。 けっこう高値で、評判は悪くない様です。私にはピンと来ないメーカーなんですが。
SIGMA MIRROR-TELEPHOTO 600mm F8
シグマの600mmは(私は良さそうに思うのですが)、評価が低いのか安めの価格で落札される様です。 下のオリーブ色の物は、レンズ質も良さそうで、後になって落札しても良かったかなと
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MAKPO MC РУБИHAP 500mm F5.6
ロシア製ミラーレンズのルビナールです。 画質は良いとの評を時々みかけますが、ミラーの場合は具体的な比較を出来る人が少ないので、なんとも微妙です。 ボディによってはストロボが当たり装着できない場合があり難物感は否めません。 落札価格はまあ妥当な価格ではないでしょうか。 このF値で素晴らしくシャープな絵でしたら、もっと大騒ぎして沢山輸入されると思うのですけどね。
Reflex-Nikkor 500mm F5
これは業者出品でしょうが、レア物で未終了です。 500mm F8 の方は高い評価が知れ渡っています。 私も一度は使って見たいと思うのですが、業者出品は程度の良い後期製品が¥50k前後で多くあります。 この出品はF5という見たことのない物です。 調べると1961年9月発売とあり、ミラー蒸着等の保存程度がどの程度なのかバクチですね。 さすがに、簡単には買い手が付きません。
Reflex-Nikkor 500mm F8 / C
Reflex 500mm のクラスで、流通数が豊富でかつ安定して高値が付く機種が2つあります。 一つはMINOLTA 500mm F8 Reflex で、これは近年まで生産されていた事もあり、SONYのαボディではAFが効き、現行品と言っても良いレンズなので、当然の結果です。 およそ40k~50k程度の価格です。
そして、もう一つが Reflex-Nikkor 500mm F8 ですが、旧・新のタイプがあり価格ランクが違って来ます。旧タイプは「C」新タイプは「NEW」で表記されることが多く、旧タイプは1969年発売の3群5枚で最短撮影距離4m、重量1000gに対して、新タイプは1984年4月発売6群6枚で最短撮影距離1.5m、重量840gでひとまわりコンパクトです。新タイプは上記のTAMRON SP500 と似たスペックですが、比較的近年まで販売されていた様ですから、ミラー劣化も少ないと推測されます。
さて、下の出品は旧タイプ「C」のレンズにもかかわらず、けっこうな価格が着きました。 Nikonの基本性能は信頼に足ると思いますし、Fマウントは対応ボディの範囲が広いので、さすがに強者ですね。 しかし、注意も必要です。出品者はちゃんと「レンズの汚れ」を表記していますが、写真ではなかなか判りづらいのです。青枠は画像処理した結果ですが、かなりカビが出ている様です。 (出品者は敢えてこんな写真は載せないですからね) カビ除去をすれば使えるとは思いますが、ミラーの方はどの程度でしょう? どうしても良い物が欲しい場合は、NEWタイプで業者が50k程度の価格で出品している物を買った方が間違いがないと思います。
Canon reflex 500mm F8 / FD
Canonはオートフォーカス化を放棄したのでEOSマウントのミラーは存在せず、FDマウントのものです。FDマウントはフランジバックが短く、マイクロフォーサーズ等のミラーレス機しか使用できませんが、思ったより入札があります。 ミラーレスで使おうという人が増えているのかもしれません。 並品でも、そこそこの値が付きました。
MINOLTA RF ROKKOR 500mm F8
MINOLTAのSR(=MD)マウント、すなわちオートフォーカスαマウント以前のものです。 ROKKOR銘がレンズに記入されているので1981年までの製品と判ります。 ミノルタはこの年以降のレンズにはROKKORを称さなくなったそうです。 「SR→??」のマウントアダプター経由で使用という事になりますが、SR/MDマウントはフランジバックが短く、レンズ付きアダプターでAPS-C機か、ミラーレス機に着けて使用するのでしょう。 妥当な落札価格だと思います。
MINOLTA RF 500mm F8
内容は上と同じですが、ROKKOR銘が無く1981年以降の製品という事になります。 このあたりの事も皆さん良く判ってられるのか、落札価格はかなり上になりました。
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ミラーレンズに興味のある方の参考になったでしょうか? 野鳥撮影に関しては、どうしても倍率を必要とする場合は別として、扱い易さや結果として得られる画質などを考えると、500mm 前後のミラーがベストだと私は感じています。 何のアナウンスもないのですが、パナソニックの製品が出るまでは悶々とした日が続きそうです。