リモコンジャックにアクセスするために、カメラの主基板を外しました。 フレキを殆ど抜く必要がありますが、ここまで来てしりごみするなんて出来ません。
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これまでの作業および主基板を外す時に、フレキを抜く必要があるコネクタを、ここで改めて整理しておきます。
●背部筐体(+液晶)を本体と分離する … 黄緑のコネクタ
●上部筐体を分離する … 赤のコネクタ
●主基板を分離する … 黄のコネクタ
今回は黄のコネクタの内、一番底のストロボ用コンデンサに繋がるフレキは抜かずに作業しました。 また、主基板を本体に固定しているネジは青で示した4ヶ所です。 左上の「s」だけ短いネジが使われています。
フレキを抜きこれらのネジを外すと、主基板が外れます。 下は主基板を手前に倒して裏面を露出させたところです。
右下に目的のリモコンジャックが見えています。
ちなみに、下は基板を外した本体側の様子です。
左側と下はストロボ関係のパーツでしょう。中央はC-MOS部、右はバッテリーケースです。
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G3解体新書(1)~(5)までで、「iA」スイッチを「RP」スイッチと等価にする改造をして来ました。 このG3解体新書(7)では、「RP」スイッチの配線を引き出し、リモコン操作でもMFアシストを起動できる様にするものです。 以下の改造は、「iA」スイッチに関するここまでの改造とは別に、MFアシストをリモコン起動させる単独の改造として行うことが可能です。
今までの過程で、「RP」スイッチから10kΩ抵抗に繋がる配線の部分がキーだと判っています。 これをリモコンジャックを経由して引き出し、リモコン上に接地レベル「G」に落とすスイッチを作れば目的を達します。
主基板のリモコンジャックの配線を調べると、DMC-G1とまったく同様で、G3も録音マイク用の配線がされていません。 これは非常に有難く、G1の改造では空きのピンをフルに利用しました。 下はG1で製作した専用リモコンの回路です。
MFアシストSWで、「a」「b」が接地レベル「G」に落ちる構造なので、このリモコンをG3でも共用できます。
(詳しくは、
G1解体新書(7) G1解体新書(8) を参照ください)
①リモコンジャックはG1と同様の結線になっています。 「c」は接地レベル「G」です。「d」はレリーズ用の信号線が繋がり、「c」「d」間の抵抗値によりレリーズ動作がコントロールされます。これはメーカーの仕様通りに使います。 「a」「b」は配線がない空きピンですが、自作の専用リモコンを繋いだ場合、MFアシストSWで順次「c」に接続されます。
今回、G3のMFアシスト起動用の配線は、「a」「b」のどちらに繋いでも目的を達しますが、同軸ジャックの構造上で「c」「d」から遠い「a」を使うことにしました。 そのために「a」からブルーの単芯線を引き出しています。
②主基板を本体に戻したところです。 ジャックからの配線を基板裏側から上方へ出しています。
③上部筐体のスイッチ基板から、コントロール線を引き出した様子。 10kΩ抵抗の上側の端子に単芯線をハンダ付けしています。 ハンダ付け面積が小さく脆いので、この後でブルー線を基板にテープ固定しました。
④上部筐体にスイッチ基板を固定し、上部筐体を本体に固定し、引き出した2本のブルー線をハンダで接続したところです。 接続部は熱収縮チューブでカバーし、ストロボ用配線溝に収めました。 メンテのために長さの余裕をとっています。
下は以上の改造を回路図に纏めたものです。
●MFアシストSWを備えた専用リモコンの使用を前提にしています。
●「iA」スイッチに関する改造も書き込まれていますが、MFアシストをリモコン起動させる改造に不可欠なものではありません。
●純正リモコンは従来通りに使用出来ます。
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フレキは清掃しながら繋ぎ戻し、外したネジを順に戻し、改造作業を完了しました。 G1に比べて、ネジが少し硬い場所がありました。 ハンダ付けは微細をきわめ心もとないものでしたが、とにかく目的の動作が実現しました。 被覆単芯線のもっと細いもの、微細ハンダ付けに適した細いハンダ、専用ペースト?、コテ先、温度調節など、今後の課題です。