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Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)

2012年 02月 08日
フィールドで絞り付きフードのかなり厳密なテスト撮影をしました。

結果から先に言うと、フィールドでは気流の影響が強く現れて、細部に拘る撮影ではシャッタースピードが低いと、像の揺らぎがボケとなってしまうことが判りました。 被写体の動きは常に問題になりますが、500mmの倍率では比較的近距離の撮影でも気流の揺らぎが確認されました。(無風の好条件ならかなり抑えられるでしょうが) また、背景に小絞りボケの影響が潜んでいる気がします。 判断しにくい差でマイナス側に働いて来るF値です。



テスト撮影のモデルに、保護カバーを着けた桜の木の根元を撮影しました。 Panasonic DMC-G3 + Reflex-Nikkor 500mm で三脚とレリーズを使用し、MFアシストでフォーカスを合わせ、好結果の写真を選んで比べています。



最初は4~5m程度の距離からの撮影。

フード/絞り装着の場合、ISO1600 1/500sec
フード/絞りなしの場合、 ISO1600 1/800sec

Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)_b0174191_19451718.jpg
上の写真のABCの緑枠の場所で、フード/絞りの有無を等倍像で比較します。 以下、左がフード/絞り装着、右がなしです。 画像の詳細はクリックで拡大表示されます。

A枠
フォーカスを合わせた場所。 どちらも似た様なもので僅か左が良いかも。 右の方が良く見える部分もある。
Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)_b0174191_1945325.jpg


B枠
左の樹皮が少し鮮明。 左は絞りの効果でリングボケが小さいのが判ります。
Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)_b0174191_19454175.jpg


C枠
左の保護材が少し鮮明。
Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)_b0174191_19455059.jpg


この距離では、わずかフード/絞りの装着側が良い様だが、屋内テストほど差を感じられない。 シャッタースピードが遅くなるマイナス効果が差し引きされていると思うのですが。



次は10m程度の距離の撮影。 風が少しあり、ファインダー内でも像の揺らぎが判ります。 なるべく風の収まった時にレリーズし、良結果の写真を選んで比較しています。

フード/絞り装着の場合、ISO1600 1/800sec
フード/絞りなしの場合、 ISO1600 1/1300sec

Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)_b0174191_20133375.jpg
上の写真のDEの緑枠の場所での比較、左がフード/絞り装着、右がなしです。

D枠
フォーカスした場所です。 良く見ると画像内の箇所によって、左右の優劣が逆転します。 気流が影響してどちらが良いと言えない状態になっています。
Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)_b0174191_20134539.jpg


E枠
一見、前ピン/後ピンになっているのかと考えてしまいますが、やはり箇所によってシャープさが転じた結果の様です。
Reflex-Nikkor 500mm にフードと絞り (2)_b0174191_20135513.jpg


この距離になると、絞りの効果は失われたも同然で、実際のフィールドではシャッタースピードが速い方が歩留まりが上がるでしょう。 もともとF8の暗さでブレ易いのですから、近距離で好条件の撮影でないと、絞りを追加するのはマイナスになると思います。

得意の絞り戦術が通用せずに、少々がっかりな結果です。 でも、室内テストとフィールドでは気流というファクターが異なることを認めざるを得ません。 近接マクロの様にして接近戦で撮るなら、絞りは有効と思われますが。 総じてミラーレンズの絞りは、「性能の劣るミラーの場合は試す価値があり」としておきましょう。
by Ataron | 2012-02-08 20:28 | 撮影機材/技術 | Trackback | Comments(0)
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